大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和26(れ)1296 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人吉弘基彦同奥田三之助の上告趣意は末尾添付別紙記載のとおりである。

右上告趣意第一点について。

所論Aに対する司法警察官の聴取書は昭和二三年五月二〇日即ち本件犯行の直後

に作成されたものであるから、同人がその後約二ケ月経過後の同年七月一六日から

所論のような病名により入院加療したからというて、右聴取書記載の供述を措信し

てはならない法則はない、また記録を精査しても、右聴取書作成当時、右Aが精神

障害の病状にあつたと認めるに足る資料はない。従つて所論は結局、事実審たる原

審の自由裁量に属する証拠の取捨判断を非難するに帰し、採用することはできない。

同第二点について。

所論Bの証言を精査するに、同証言では別段本件被害金品が如何なる場所から同

人の足下に投げられたかを明らかにしていない。該証言は「スリだと人が騒ぎ出し

た際、足下に投げられた」という趣旨に解するを相当とするばかりでなく仮に所論

の如くであつたとしても物理的に不能のことではない。従つて原判決には所論のよ

うな違法はない。論旨は理由がない。

よつて旧刑訴四四六条により主文の通り判決する。

以上は裁判官全員一致の意見である。

検察官 田中巳代治関与

昭和二六年九月一八日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 長 谷 川 太 一 郎

裁判官 井 上 登

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裁判官 島 保

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